君の手で切り裂いて 遠い日の記憶を
悲しみの息の根を止めてくれよ
さあ 愛に焦がれた胸を貫け
明日が来るはずの空を見て
迷うばかりの心持てあましてる
傍(カタワ)らの鳥が羽ばたいた
どこか光を見つけられたのかな
なあ お前の背に俺も乗せてくれないか
そして一番高いところで置き去りにして
優しさから遠ざけて
君の手で切り裂いて 遠い日の記憶を
悲しみの息の根を止めてくれよ
さあ 愛に焦がれた胸を貫け
鳥を夕闇に見送った
地を這(ハ)うばかりの俺を風がなぜる
羽が欲しいとは言わないさ
せめて宙に舞うメリッサの葉になりたい
もう ずいぶんと立ち尽くしてみたけど
たぶん答えはないのだろう
この風にも行くあてなどないように
君の手で鍵をかけて ためらいなどないだろ
間違っても 二度と開くことのないように
さあ 錠の落ちる音で終わらせて
救いのない魂(タマシイ)は 流されて消えゆく
消えてゆく瞬間にわずかに光る
今 月が満ちる夜を生み出すのさ