春休みのロッカー室に 忘れた物を取りに行った
ひっそりとした長い廊下を 歩いていたら 泣きたくなった
目立たなかった私となんて 交わした言葉 数えるほど
アルファベットの名前順さえ あなたは酷く 離れてた
もしもできることなら この場所に 同じ時間に
ずっとずっと うずくまっていたい
もうすぐ別の道を歩き 思い出してもくれないの
たまに電車で 目と目が合っても もう制服じゃない
窓の近くの あなたの机 ひとり頬杖ついてみる
蓋を開けると 紺のボタンが 隅の埃に まみれてた
もしもできることなら この場所に 同じ時間に
ずっとずっと うずくまっていたい
もうすぐ別の道を歩き 思い出してもくれないの
そよ風運ぶ 過ぎたざわめき 今は春休み 今は春休み
最後の 春休み