あたたかい陽のあたる 真冬の縁側に
  少女はひとりで ぼんやりと坐(スワ)ってた
  つもった白い雪が だんだんとけてゆくのを
  悲しそうに見ていたの
  夢が大きな音をたてて 崩れてしまったの
  あたたかい陽のあたる 真冬の縁側に
  少女はひとりで いつまでも坐ってた
  木枯らしがのぞいてる 垣根のすきまから
  少女はいつも 遠くを見つめてた
  かわいい仔犬たちが 年老いてゆくのを
  悲しそうに見ていたの
  夢が風の中で褪(ア)せて 消えてしまったの
  木枯らしが通り過ぎる 垣根の向こうに
  少女はいつか ゆくことを知っていた